化学

ビートルートは、カロチノイド、グリシンベタイン、サポニン、ベタシアニン、葉酸、ベタニン、ポリフェノール、フラボノイドなど有効成分が豊富な野菜である。

色素であるベタレインは、大きく分けて2つの種類が存在する。

  • ベタシアニン(赤紫色):ベタニンは75〜95%を占める。
  • ベタキサンチン(黄色)およびベタレイン(淡褐色)の分解生成物:わずかな濃度で存在する可能性がある。

ベタニンはビートルートの赤色の色素であり、食品業界の着色剤「ビートルートレッド(beetroot red)」として使用されている。ブルガキサンチンおよびインディカキサキサンチンという名前の2つの化合物も、ビートルートに含まれている。

ベタレインは赤ビート(Beta vulgaris)にちなんで命名されたアルカロイド色素である。ナデシコ目(Caryophyllales)にアントシアニンに取って代わり存在し、真菌類(例えばベニテングタケ)にも見られる。

食用色素としてのベタレインの利点

  • 赤ビートからの色素は水溶性であり、その風味は容易にマスキングできる。
  • ベタレインは、他の天然色素と比較して熱安定性が劣るが、優れた光安定性(ベタレインの色は光の中で容易に消えない)と、pH安定性(ベタレインはアントシアニンと違って食品や飲料のpHに比較的変化しにくい)を持つ。
  • またアレルギーや副作用も知られていない。